無関心女の頭上に星は輝く



前みたいに、半分泣きながら、じゃなく、真剣な顔で、空太が奏太の部屋に入ってきた。




「俺、ダメかも」



第一声がそれ。



限りなく空太らしくない。


「どうした?」


「星可先輩が、告白断ってた。好きな人がいるからって」



そんなのはいつものことだろ?


前だって見たんだろ?その場面。

でもあきらめないって決めたんだろ?



「嘘には見えなかったんだ。あんなに、苦しそうな先輩、はじめてみた」




あれは紛れもなく、本気で好きな人がいる。



いつも見てたから分かる。


それが今は憎らしい。


知りたくなかった。



「俺、星可先輩にとったら邪魔だったみたい」



自分が、星可先輩の一番になりたくて、



でも、なれなさそうだ。




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