恋愛ゲーム


「私を…
見てくれる人なんていない。
どこを探したっていない…」

私は呟く。



だから、圭人も…

私にはそんな人がいないことを知ってるから
私をそんな風に見るんでしょ?




「遠くばかり見るなよ。
もっと近くを見てみろよ!!」





そう言った圭人は私の知らない男性で

幼馴染みとして20年来の付き合いの中で、初めて見る圭人の顔だった。





私の頬を温かい涙が伝い

私の心に作り上げられていた
大きな壁は崩れ落ちていく。








私は車の窓に映っている自分に
小さく微笑み呟いた。



「圭人のクセに生意気よ」








【GAME OVER】
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