恋愛ゲーム


「紗英がムキになるのは
自分を誤魔化す時。
ずっと紗英を見てるんだ。
そのくらい分かるよ」


いつもの圭人の口調。


「・・・・・・」


「紗英は恋愛をゲームなんて言ってるけど、それを終わらせる度に一番傷ついているのは紗英だろ?

紗英は恋愛がゲームじゃないことも、男が駒なんかじゃないことも
ずっと知ってたんだ」



圭人の言葉に

私の弱気な言葉がこぼれる。



「でも、あの男だけじゃなかった
明智さんは信じてたのに…
彼も同じだった…」


「それは、紗英がちゃんと男を見ないからだろ?」


「じゃあ、私のことをちゃんと見てくれる男はどこにいるの?」



ねぇ?

圭人なら私をちゃんと見てくれる人が分かるの?


圭人が車を止めて切なそうに
私を見る。




どうしてそんな風に私を見るの?



…何で?
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