有明先生と瑞穂さん
「いいえ、小浜先生とは学校以外では・・・」

「そうだわ、口之津先生!」


きっぱりと否定しようとしたとき、それを遮るように小浜が声を上げた。



「口之津先生もご一緒にお食事に行きませんか?3人で!
有明先生も3人ならいいでしょう?」

「・・・・・・」

「は?お食事?何の話スか?」


口之津が呆けていると小浜が早口で説明した。


「レポートで有明先生にご協力頂いたからお礼にお食事にお誘いしたんですけど2人じゃどうしてもってことだったの。
でも口之津先生も一緒なら3人だし大丈夫でしょう?」

「え、俺レポート一人で上げたし」

「いいじゃないですか。
年齢が近いものどうし、交流を深めるということで」

「別に俺お二人と交流深めなくても」

「ダメですよ!教師になろうという人間がそんなこと言っちゃ!」

「・・・・・・」


言ってることが滅茶苦茶だ・・・。

しかし口之津はなんとなく小浜の心境を察し、それ以上は何も言わなかった。


(なるほどね~。この女も切ない恋をしてるってわけか。
まあ俺には関係ない話だけど、一肌脱いでやるのも悪かねーな)



「よし!わかりました!
その通りですね!
親睦会開きましょう!」

「!!」


小浜がすごく嬉しそうな顔をし、有明の顔が引きつった。


(ああもうっ・・・面倒なことに・・・・・・)



二人勝手に日程を決める中、有明は一人立ちくらみしていた。
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