有明先生と瑞穂さん
「お待たせしました。ケーキセットと和風パフェになります」

「来た来た!お腹すいてたのよねー」


瑞穂がケーキセットのコーヒーに口をつけた時、国見が軽い口調で言う。


「有明には会えなかったけど、さっきその小浜には会ったわよ」

「ブーーーッ!!」


噴出すコーヒーを国見は軽やかに避け、ビチャビチャになった机を瑞穂は必死で拭く。


「な、な、な、な・・・」

「アレ、言ってなかったっけ?
あの子アタシらの高校の頃の後輩なのよ」

「え、えーーー?!
いやそれも初耳ですけど・・・じゃあなおさら私と共通点があるってバレちゃ駄目じゃないですか!」

「つい『化粧濃いね』って言っちゃったーアハハハハ!」

「国見さんも人に言えるほど薄化粧じゃない・・・ってそうじゃなくて話噛みあってないんですけどちょっとー!」


瑞穂の反応に国見は楽しそうに笑う。
有明と同様、緊張感が全くない。
それどころかこの状況を楽しんでさえいる。


「もう・・・笑ってられないですよ。
有明先生が学校辞めさせられちゃったらどうするんですか・・・」

「アハハハ、だぁーいじょーぶよ!
有明が早々ヘマやらかすことなんてないから」

「私が万が一有明先生もフォローできないことやらかしちゃわないかが心配なんですよ!」


瑞穂がプンプンと腹を立てれば「まあまあ」となだめるようにパフェに乗った白玉を口に運んでくれる。

それを素直に食べながらも遊ばれていることが悔しくてモグモグしながら口を尖らせた。
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