有明先生と瑞穂さん
「シャワー浴びてくるから、居間の方で待っててくれる?」

「あっ、はい・・・」


ベッド上の時計を見ると9時半を差していた。

と、ふいに後ろから体を引かれ倒れそうになる。


「わっ?!」


頭が有明先生の胸に当たり、抱きしめられたのだと気づいた。


「先生?!」

「ごめん・・・」

さっきのことが頭をよぎり身構えてしまう。

振向こうとしたがそれを許さないように抱きしめる。


「まだ・・・君を好きでいてもいいのかな?」

「・・・!」

そんなことを考えていたなんて――。


(私にそこまで思ってもらえる価値なんてないのに・・・)


言葉の変わりに頷いた。


「よかった・・・」

安堵の息が首元にかかってくすぐったい。
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