有明先生と瑞穂さん
結局こうして国見が少しだけ顔を出し、わざわざ手作りでご飯まで持ってきてくれて(激辛キムチだったけど)少しだけ気分が晴れた。



毎日のように来る加津佐をうっとおしいと思っていたけど、いないと寂しいだなんて――・・・


こんな時に思い知らされるのは少し癪だ。


いつも人をからかってばかりの国見も今日は救われた。


激辛キムチはいらないけど・・・。




「タケル、心配してたよ。
最近有明が変だって」

「・・・うん。悪いと思ってる」

「なら少しくらい相談するのも友達ってもんじゃないの~?」


「そうだな・・・」





頭の中は彼女のことだらけ。


そう思っていたのに

ぽっかり空いて何もなくなったと思ったここにはこいつらがいた。


こんな時だからこそ気付かされた。






――わかっているようで全然わかっていなかったんだ。
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