有明先生と瑞穂さん
改めてまわりを見渡すと口之津の後ろに、同じく心配して覗き込む布津と深江がいた。


「晴ちゃん大丈夫?いきなり倒れるからビックリしたよ・・・」

「瑞穂、具合悪かったのか?」


そこにガラッと扉が開く音がして、有明先生が入ってきた。


「瑞穂さん、もう大丈夫なんですか?」

「あ・・・はい・・・」


返事をすると有明先生はほっとしたように微笑む。


「なんか急に息するのが苦しくなっちゃって・・・なんだっけ。
私どうやってここに・・・」


保健医がクスッと笑って言う。


「口之津先生が凄い形相で運んで来てくださったのよ」

「え、口之津先生が?」


そこまで聞いて、倒れる寸前に自分がしたことを思い出し瑞穂はハッとした。


(わ、私・・・口之津先生のこと、な、なぐっ・・・・・・)


教師に手を上げるなんて――


瑞穂はサーッと血の気が引いて青くなる。


それを口之津はまた心配そうに見つめた。
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