有明先生と瑞穂さん
「有馬さんやさっきの・・・深江さんだったかな。
その子達と違って隠してるってことは、結構本気?」

「・・・本当に違います」

「誰にも話したりしないわ。
さっきの有明先生の話、ショックだったでしょう?
私も同じよ。

いいじゃない。同じ人を好き同志お話しましょ」


『女の子同士、好きな人が同じ者同士仲良く』


瑞穂はこういうことがあまり好きではない。

昔を思いだす――


有馬達とは仲がいいし、女の子さながらの・・・いわゆるガールズトークもするが、それは有馬達だからだ。


他の子とは避けたい話題。




「本当に違います・・・。私、彼氏がいますから」

「そう・・・」


小浜はようやく諦め残念そうに肩を落とした。



(そもそもこういう話って意味がわからないもん・・・)

お互いライバルなのに『頑張りましょうね』なんて不自然で気持ち悪い。


(でも・・・もしかして小浜先生も口之津先生みたいに生徒と仲良くしたいとか・・・?)

瑞穂が見ている限りでは有馬にも深江にも嫌われていて少し可哀相だ。

昔の自分とダブッてしまう。

ここで自分まで拒否してしまうのも悪い気がした。



「ふぁ、ファンなんです!ただのファン!
ただミーハーだって思われるのが恥ずかしくって・・・だから!」

「ファン?」

「はい!彼氏はいるけど有明先生のファン!
彼氏にバレたらヤキモチ妬いちゃうから秘密ですよ~?なーんてハハハ!」


・・・苦しいだろうか。




小浜はきょとんとしていたがすぐにニッコリ笑って「そう」と嬉しそうに頷いた。
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