6 L O V E .
そのとき軽快に鳴ったのは、あたしの携帯。
この音は・・・電話だ。
「はい、」
「お、桜ー?」
この間延びした声は、あたしの幼馴染のものだ。
「なに?」
「お前、暗くない?久しぶりに幼馴染と電話してんのにさー」
「聡と話すことなんてないもん」
寂しさから来た八つ当たり。
ごめんね、聡。
「冷てえなあ。とりあえず、うち来いよ」
「なんで?」
この感じはどうせ何か手伝わされたりするんだ。
聡の両親は共働きで家を空けることが多い。