6 L O V E .
「いいから、来て」
それだけ告げて電話は切られた。
はあ。聡もあたしも一人っ子だからその寂しさはよくわかる。
こういう時、断れないのがあたしの弱みだ。
ピンポーン。
別にチャイムを鳴らす必要はなかった。
でも、なんとなく聡に来たことを知らせたかった。
しかし、ガチャリと扉が開いた先にいたのは聡じゃなかった。
「お、桜ちゃんいらっしゃい」
まるで、自分のうちに来客を迎えたような口調。
相変わらずのオレンジ色頭。
でも・・・ピアスはなかった。
「えっと・・・」
あたしは動揺しまくっていた。
だってさっきまであれこれ考えていた人物がここにいるんだもん。