6 L O V E .




「あっ聡先輩!」


屈託のない笑顔を向け、こちらに手を振る一人の少女。

一歩間違えれば、中学生に見える。



「おっ聡、彼女できたのかよ」


「しかも、北高のやつかよー」


校門にたどり着くまで、様々な声がかかる。


この女は校門にいても、誰からも声をかけられない。

たとえ、男子校であっても。




だって、この女は北高生だから。


北高は市内屈指のバカ高として有名。

入試のテストは名前を書けば、入れる。



そんな高校のやつに県内でもトップクラスの進学校の生徒がナンパするなんてありえない、らしい。



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