6 L O V E .
私は途轍もなく弱い人間だった。
自分がみんなにどう思われているかばかり気にして、大切なことを見失っていた。
本当の私を受け入れてくれたのは、須賀君だったのに・・・。
「別れたいってなんで?」
「受験に集中したいの・・・」
「集中って、俺らもうS判定だし。そんな頻繁に会ってるわけじゃないじゃん」
「・・・とにかく別れたいの!」
「なんだよそれ」
「だって須賀君、チビだし子どもっぽいし!私とつりあわな・・・あっ」
そこまで言ってやっと私は口を手で塞いだ。
違う・・・こんなこと言いたいんじゃないのに・・・。
そんなこと私思ってないのに・・・。
「・・・そっか。わかったよ。ごめんな」
そう言って須賀君は悲しそうに笑った。
私は彼を追いかけることができなかった。
私・・・何にも変わってなかったんだ。