6 L O V E .
お昼休み、1個下の後輩に呼び出された。
「あの、ずっと先輩のこと可愛いなって思ってて・・・その、付き合ってもらえませんか?」
この子、バスケ部の水野君だよね。けっこうモテるから有名。
「ごめんね。私、好きな人いるの」
好きな人なんていないけどね。
今、あんまり誰かと付き合う気になれないんだよね。
「そうですか・・・。ありがとうございました」
そう悲しそうに笑った顔が、須賀君を思い出させた。
なんで、こんなにも忘れられないんだろう。
傷つけてしまったから?
好きだったから?
わからない・・・自分が。
去っていく水野くんを見つめながらそんなことを考えていた。