6 L O V E .
気持ちは知られている。答えは教えてくれない。きっと、このドライブが終われば、夢から覚める。
…あたしは今日、フラれるんだと思う。
―――
「海ってよく行く?」
榊さんは車を運転しながら、助手席で緊張していた、あたしに話しかけてくれた。
大学生で車持ちって…当たり前なのかもしれないけど、高級そうだし…育ちも年も全然違うんだと思い知らされる。
「いえ、海とか全然!お、泳げないし…」
「ほんと?キレイで有名なんだよ、ここ」
「そ、そうなんですか」
夕陽が差し込んで、より一層榊さんのキレイな顔を際立たせた。長いまつげがキラキラして…キレイ。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど。さ、着いたよ」