【短編】ヒーロー


「もう帰ったんか?」



俺……普通に話せてるよな?



「え? あーうん」

「ふーん……で、あれ誰?」



俺の横に座った萌子。
隣の体温があがるのがわかる。



「え? 柳君」



ふーん。柳ねぇ……。


もう……
彼氏になったん?
付き合うん?


お前……二股するんか?



「で?」

「で? って?」



俺の目を見ながら首を傾げた。


あぁ……この表情は、わかってへんな。
ま、俺が話聞いてたなんて思ってへんわな。





「お前……告白でもされたんか?」

「え!?」


目を見開き俺を見て止まってる。

何、赤なってんねん。
んな顔……すんな。



「何や、図星か。
お前を好きなんて物好きおるもんやでなぁー……」

「別に……物好きとか関係ない思う」



確かに……意地悪な言い方したで?

でも……あいつを庇うんや?

いつもみたいに、拗ねて怒れへんねんな?



やっぱり……あいつ、柳と。




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