S的?彼氏の思うコト ~平畠 慎太郎side story~
この遊園地は、幼い頃から家族で訪れており、馴れ親しんだ場所だ。

初めて違和感を覚えたのは中学校に上がる前。
姉と入ったお化け屋敷だった。

姉は冒頭から恐怖に慄き、俺の上着が伸びてしまう程掴んで離さなかった。

だが俺は、全く怖くなかったのだ。

いかにも何か出て来そうな井戸の天井には剥き出しのセンサー。それに反応したのか、ギギギという機械音とともに人形が出てくる。

「キャー!」

姉が俺にしがみ付く。

何故、この遊園地のお化け屋敷はこんなにもクオリティが低いのか?
何故、姉はこんなにも恐怖するのか?

小さい頃から、分からない事を理解したいという思いが強かった俺は、この日の出来事を忘れる事は無かった。



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