S的?彼氏の思うコト ~平畠 慎太郎side story~
事務所へ続く外階段を上ってゆ行く。

そしてあの言葉…。
『絶対に惚れません!』
また安浦の言葉が脳裏をよぎる。

「あ~、クソっ!」

俺は、自己制御出来ない思考に、段々腹が立って来た。
冷静になろうと、ふぅと大きく息を吐いてから、ロッカールームのドアを開けた。

顔を上げると、安浦と斎藤の姿が目に飛び込んできた。
二人のただならぬ距離感に、一瞬何が起こっているのか分からなかった。
だが、それはただの立ち話ではない事は理解出来た。
『そういう事』か。

「構わず続けてくれ。」

何故か妙に落ち着いた俺はそう言うと、二人の横を抜けて、自分のロッカーの前に立った。
斎藤が安浦から距離をとったのがみえたが、俺はそんな事には構わずに、ロッカーの鍵を開け、中から切符や茨城の会場や訪問予定の大学の資料がが入ったバッグうを取り出した。

「邪魔したな。」

そうとだけ言うと、俺はロッカールームを後にした。







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