手紙




歩くスピードも、自分でもいつもより遅く感じられる。






「やっぱ熱あるのかー」





今さらそんな独り言を言う睦月。






これが天然と言われる原因なのだろうか。






いつもの帰り道も、違った風景に見えた。







だけど、これだけは変わらない。







少し歩くと、波の音が聞こえてきた。








「沖田さん・・・」





まるで何かに吸い寄せらるように、海へ向かう。







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