手紙
そう言い残し、道もわからず走り出した。
残された妃菜は、ため息をつくしかなかった。
「まぁ、やると思ってたけどね」
そして再び大きなため息をつく。
そんな中、睦月は無暗矢鱈に走ったわけでもない。
知らない町から知らない場所への移動なのだ。
ちゃんと策は考えてある。
「すみません。西本願寺から1番近い海までお願いします」
タクシーに乗り込み、沖田との待ち合わせ場所を目指した。
通り過ぎる風景をただ目で流す。