手紙

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「何故海なんて行ったのですか」





眠る沖田を介抱しながら、山崎は斎藤に問い詰めた。







だが斎藤は「すまん」の一言だった。







「わかっていたはずです。沖田さんがもうそんなことできるからだではないことくらい」







「すまん」






「沖田さんから言い出したのですか?だったら止めて下さい」






「すまん」







帰ってきてから「すまん」しか口にしていないのかと思うくらい、斎藤は「すまん」を言い続けた。







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