手紙




それだけ言うと、恵理は持っていた手紙を睦月に渡した。





「それじゃ、あたし帰るわ」




「あたしもー」




「じゃあね、睦月っ」





唯一美奈だけが申し訳なさそうだった。





「どういうことー?」





受け取った手紙に目線を落とし、口をとがらせて呟いた。





つまりこれは、誰かのいたずらで、沖田総司って人からじゃなくて、沖田総司は新選組っていう歴史上の人物で・・・




頭の中で整理するが、睦月の脳みそがついていかない。





それでも睦月はその手紙を優しく抱きしめ、家に持ち帰った。






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