手紙
叫び声にも似た土方の声は、一気に隊士たちへ緊張を与えた。
もちろん沖田にもだ。
鼓動が収まらない。
いつも何か事件があっても、好奇心旺盛の沖田には、むしろワクワクしてしまうのに、今回は緊張しかしない。
いつのまにか沖田の眉間にはしわが寄り、顔を強張らせていた。
「総司、どうかしたか?」
隊長全員が集まり、近藤と土方を待つ一時の中、隣にいた斎藤が沖田の顔を覗き込んだ。
「え!?あ、いや・・・」
「何だ!お前、総司びびってんのか?」
永倉の甲高い声に、少しイラっとくる。
少しにらんでやっても、そんなことにも気づかず、がははと大きく口を開けて笑っていた。