see you again
恐い顔をした先生が近づいてきた。

「ホントにどうしようもない子ねあなたは!」


先生の声がいつにも増して大きかった。

「人の物を取るなんていったい何考えてるの!?」

「…でも、あれは私の……」


話している途中で泣きそうになって言葉に詰まった。

「最後まではっきり言いなさい!」


先生の手が上にあがった。


「あの鉛筆は私のです!!!」

精一杯の声を振り絞って私は言った。

「ホントなの?」


と先生はさっきよりも優しい声で4年生の子に問いかけた。

その子はしばらく目を伏せていたがやがて顔を上げて言った。


「いいえ、その鉛筆は私のです。どうして私のなのに勝手にとるのっ?」

涙声で言うその子をみて先生はまた目つきを変えて私を見た。


「どうしてそんな嘘をついたの?早く謝りなさい!!」
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