アメが降る
飴の力は、



彼女は寝る場所が僕の家から病院に変わっても
何事もなかったかのように過ごした。



朝、僕が仕事に行くまえに電話をし
僕が来たらいつものように
手に飴を握らせる。



屋上に出て一緒にくだらない話をする。


僕の家の近くに住み着いた猫の話、
新発売の飴の話。




僕らは笑い合って、
小突き合って、
そして静かに目を合わせる。



ふたりの距離を埋めるように
どちらからともなくキスをする。




夕暮れと夜が溶けあっていくのを見ながら
僕らは屋上を後にした。
< 13 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop