アメが降る



僕らは決して涙を見せたり、
嘆いたりはしなかった。



その代わりたくさんの飴を食べた。


りんご、みかん、レモン



毎日たくさんの飴を食べても
彼女のベッドの横にある棚の引き出しから
飴が無くなることは絶対になかった。



グレープ、サイダー、メロン




いつの間にか季節は
彼女が入院した初夏から冬へと移りつつあった。




その間に副作用により彼女の体重は何キロも減り、
髪の毛も抜けた。



でも、彼女はそれを悲観しなかった。



強い彼女だった。


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