狼と赤ずきん
第二章
赤ずきんは森の中を歩いていた。

その表情は不安と焦りで塗り潰したかのように暗く、俯いてしまったら本当に真っ暗になるような顔をして赤ずきんは森の中を歩いていた。

正直俯きたくなってしまうが、顔を上げた瞬間に口を開いた狼に遭遇しそうな気がしておちおち俯いてなんかいられない。

来る途中に見たあの光景が今度は自分の葬式になってしまうのでは。

そう考えてしまってつい下を向きそうになるが急いで顔を上げ、暗い表情だがしっかりと警戒し真っ直ぐ前を見て歩き始また。


先程からこの繰り返し。


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