狼と赤ずきん
同じ事を繰り返す自分に溜め息をつく。


ガサッ


「!?」


何か聞こえた。
それは遠くで草を踏んだような、そんな感じの音がした…いや音がしている。

その音は徐々にに大きくなりしかもこちらに向かっている。

「うそ…」

これはもしや例の---
『狼』

そのとき赤ずきんの脳内には自分を見て唸りをあげる獣の狼があった。

そしてその獣に喰られてしまう自分の姿さえも。


逃げなきゃ!


本能がそう叫んでいたがなかなか動けない。
足が震えて力が入らず、歩く事さえも上手く出来ない。

そんな自分の体に鞭を打って、一生懸命動かそうとするが、もう足音はすぐ隣から聞こえる。

だんだん速くなる足音
一番近くで一番大きな音が聞こえたと思ったら、何かが草から飛んだ。

「ひっ…!」

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