狼と赤ずきん
「ヤァ」

話し掛けた途端、女の子は一気に警戒心を強くしたが狼の姿を確認すると徐々に警戒心が解かれていった。

上手くいきそうだと思い、狼はもう一度女の子に話し掛けた。

「ハジメマシテ。赤頭巾のお嬢ちゃん」


表面上は友好的な笑みを浮かべ。内面では舌を出した嫌な笑みを隠して。


女の子は完全に警戒心を無くし、狼に挨拶を返した。

「こっ!コンニチハ!」

その高い裏返った声と段々赤くなっていく女の子の顔を見て、狼は自分の口に手を当てて笑いを堪えた。

女の子は恥ずかしさのあまり顔どころか耳まで赤く染まり、被っている赤頭巾と一体化しているようにまで見えた。

狼は我慢出来ずクスクスと小さく声を出して笑ってしまった。

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