鳴かぬ蛍が身を焦がす

結局は晃の手の平の上で躍らされていたって事…か。

「でも先輩は漸く自分の気持ちに気付いたって事ですよね?これがきっかけで」

何だかうまくまとめられたような言い方が悔しいが、
現実はそういう事になる。

「先輩」

優しく呟くと、晃は手の平で私の顔を包み自分の方に向けた。

「貴方の事が好きです。世界中の誰よりも」

またクサい台詞。

だが嫌じゃない。

「先輩は?」

そう促され、
恥ずかしながらも、私もと答える。

「やった。これで俺達両思いだ」

この上ない満面の笑みを浮かべる晃を見て、私もつられて笑みが零れた。

その瞬間、晃がほんの隙を見て唇にキスをしようとした。

「ちょっと、こんな場所で?」

ただでさえこんなビルの通路のど真ん中で抱き合ってる男女に、鋭い視線が注がれている。

一人戸惑う私に晃が意地悪そうにこう言った。

「今更ですか?先輩」

その言葉に私の表情が一瞬固まるが、

「……それもそうだね」

思い出し笑いをして晃の背中に腕を回した。

キスの味は甘酸っぱい恋の味がした。






「あのさ、学校辞めたって聞いたんだけど・・・」

「それも嘘です。学校入ってすぐ辞めるバカいます?」

「・・・」


THE END

< 30 / 30 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

総文字数/100,030

恋愛(オフィスラブ)262ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
どこにでもいるようなOLの私 元カレを吹っ切る為に 一人傷心旅行へ そこの現地で出会ったのは ナゾの年下の男の子 「可愛い…、もっと俺に溺れて」 何かに導かれるように 一夜だけ共にして その場限りの関係だった… はずが!! 「嘘…、でしょ…」 名前すら知らなかった彼が まさか私の上司として 再び目の前に現れるなんて…! 「まだ好きなんでしょ?元カレ。 なら…俺が忘れさせてあげましょうか?」 「奈緒子さん」 読者様1000人突破! 本当にありがとうございます!!
神楽先生には敵わない

総文字数/71,265

恋愛(オフィスラブ)159ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ファッション雑誌編集長になりたくて 憧れの大手出版社に無事就職! 華のようなファッションライフが 待っていた…はずなのに! 「悪いけど漫画部署に回ってくれる?」 ええええええええっっっ!? 嘘でしょぉおっっ!?!? 会社の手違いから 出勤一日目にして漫画部署へ移動 そしてとある漫画家の担当についた が!! 「あ〜、甘い物が無いと頭が回らないぃ」 神楽誠一郎(45) 大の甘党好きで 日本が誇る大人気漫画家 × 「先生!原稿真っ白ですけど!?」 櫻井みちる(22) 神楽の自由奔放さに いつも振り回される新米漫画担当者 親子ほど歳が離れた人と 恋愛なんか、ありえ...... 「ねぇみちるちゃん。僕じゃ…駄目?」
ハスキーボイスで酔わせて

総文字数/62,583

恋愛(ラブコメ)316ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
その声は七色に輝いている 大人気声優と女子高校生の禁断LOVE! 「声だけで感じちまったか…?」 七色の声を持つ男、橘春樹 × 「またそうやっていじめる…///」 甘えん坊で泣き虫少女、黒崎彩 好きだから守りたい 愛してるから大切にしたい この恋は みんなにはナイショなの/// ※文書の中で斜線を使用しています お嫌いな方は閲覧しないことをお勧めします ♡読者様300人突破♡ ありがとうございます

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop