華麗に舞う龍の如く
そう言った男の顔は少し寂しそうだった。
「…でも……」
「でも?」
「…言っても……理解できないと思う……」
「……」
「あたしにしか…理解できない事だから…」
「…そんなに言いたくねぇならいい」
そう言って男は煙草を机の上にあった灰皿に揉み消した。
だったら最初から聞くな。
…でも、これからどうしよ……暗闇に行けないんじゃ、あたしには行く宛がない。
この世にいても、あたしがいていい場所なんてどこにもないし。
まず、あたしが“この世にいていい”って言ってくれる人がいない。
両親だっていないし、住む家だってない。
本当…何であたしなんか助けたんだろう…
「買ってきたよ」
その声とともに扉が開いた。
中に入ってきたのは銀髪男。
銀髪男は机に缶のオレンジジュースと、
コーラを二本置いた。
あたしの目の前にはオレンジが置かれてる。
「アンタはオレンジね」
そう言いながら銀髪男はあたしの左隣に座った。