華麗に舞う龍の如く
「紅茶でいい?」
想叶が顔だけ振り返らせてあたしに尋ねてきた。
「う、うん」
「ん。分かった」
笑顔でそう言ってコップに紅茶を注いだ。
そう言えば、さっき見たプレートに書いてあった“龍の華”って
何だろう…。部屋の名前かな?
ちょっと気になる…。
「おい」
「な、何…?」
あたしがなんとなくテレビ見てたら奏に声をかけられた。
「何で正座してんだよ」
「え…な、なんとなく…?」
「何で疑問形なんだよ」
そう言って微かに笑った。
「足崩していいよ」
想叶が紅茶を机に置いて座りながらそう言った。
「…でも、一様…他人だし……人の家だから…礼儀はちゃんとしないと…」
「紅ちゃんはもう他人じゃないよ。だって今日から一緒に住むんだし」
想叶がそう言った時、
「誰が一緒に住むって?」
別の部屋からそう言いながら、頭かいて欠伸しながら一人の男が出て来た。