華麗に舞う龍の如く
「は?!見りゃ分かるって、あれ喧嘩?!」
「喧嘩ってよりは…」
「…な、何?」
「自分の縄張りに入られた事にたいして怒ってんじゃね?」
「…な、縄張り…?」
「俺もよく分かんねーけど、族には縄張りってもんがあんだと」
「…ほぉ…」
「そこの縄張りに敵対チームが入ってたんじゃねぇの」
「…それが…あのブラウンの…?」
「そうじゃねぇの?」
「…縄張りって……動物みたい…」
「…それは俺も思った。…って言うより常に思ってる」
聖と喋ってたら想叶が戻ってきた。
想叶の手をみると、手の甲の指の間接んところが赤くなってた。
「そ、想叶、大丈夫?」
あたしがそう聞くと、
「うん。大丈夫だよ」
笑顔でそう答えた。
…大丈夫そうに見えないけど…
「終わったなら行こうぜ」
聖がそう言うと想叶は、
「まだ晩飯買ってない」
そう言って、歩いてきた道を戻って歩きだした。
その時、聖の小さな溜息が聞こえた。