道化の彼女と無知の咎人
「なぁ大宮」

「・・・・なんだ」

落とした弁当の中身を拾いゴミ箱にいれて、席に座った僕

犯人である裕也は何も手伝わず、黙々とノートを写していた。

「おまえってさ」

「・・・・ああ」

僕は、人の弁当を落としそのくせに何気なく話してくるような奴を許せるほど心は広くないので、適当に返事をして、お茶を飲む。

「小林 叶のこと好きだろ」

吹いた。

一気に吹いた。

なぜなら、まぁ・・その・・当たっているからだ。

「げほっ・・ち・・違う・・・・」

けど、否定はする。逆に認める奴なんかそういない。

しかし、お茶を吹いている時点でもう僕は認めているようなものだ。

図星だからな。

「うししししし」

裕也は僕が吹いたお茶をノート(僕のだ)でガードしていた。

その笑いに僕はただ嫌な予感しかしなかった。
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