華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「侑希。」
「え?」
マスターが私のことを侑希と呼ぶなんて。
…考えてなかった。
「…今は桜華の姫なんだな。」
「…そう、ね。」
姫、なんて大それたものじゃないけれど。
確かにここのみんなは私に良くしてくれる。
蓮士たちだけじゃなく、弘夜のような幹部以外のみんなも。
「侑希の存在はかなり桜華にとっても重要みたいだね。」
「…そう、ですか。」
「みんな言ってたよ、下で。」
ふわりと笑って、私の髪をもう一束掬った。