華〜ハナ〜Ⅱ【完】
バキッ……
駄目押し、というように力一杯相手を殴り、その相手は意識を失った。
李玖は次を探すように周りを見渡し、私たちに気付いた。
「李玖、もういいだろ。」
鋭い目をした蓮士がそう言って、一歩ずつ李玖に近づいていく。
「…来るなよ、」
蓮士を拒否するような声を出した李玖。
私はその目を悲しみが埋め尽くしていると思った。
どうして、李玖はそんな目をするの?
こうして迎えに来てくれる人がいるのに。
一人ぼっちだと言わんばかりの目をしてる。
いつもはそんなんじゃないじゃない。