華〜ハナ〜Ⅱ【完】
ふと蓮士の顔を見てみれば、どこか悔しそう。
「…今年は酷いね。ほっといてなんて初めて言われたし。」
薄っぺらい嘉の笑顔…
久しぶりに見た。
「李玖、立ち直らないのかな?」
楓も寂しそう。
いつも言い合いばかりしてるけど、何だかんだ言って李玖のことが好きなのよね。
「…………。」
結都も、真っすぐに李玖が歩いて行った方を見ている。
―こんなに、思われているのに。
李玖は何を考えているのかしら?
迷っていたら大事なものは手の中からすり抜けてしまうものよ。