殺人カメラ
美里の家の中に別に変な物はなかった。
だが、美里の部屋の前を通った時、
微かに妙な臭いがした。
生臭く酷い臭いだ。
この時は別に気にもとめていなかった。
しかし、この時気づいていれば「彼女」が死ぬ事はなかったはずだ。
「先生は何飲みます?コーヒーですかぁ?」
「えぇ…それでいいわ」
やはり、おかしい。
わざと女の子っぽく振る舞っているように見える。
「美里さん…」
「何ですか?」
「今朝のニュース…見た?」
「今朝のニュース?…いえ今日はだるくてベットから出ていないんです…」
「…そう」
「でもパトカーのサイレンがうるさかったのですが何か事件でもあったんですか?」
やっぱりまだ知らないのね。
「実は…」
「はい?」
「斎藤 祐希さんと小野寺 梨香さんが殺されたのよ…」
「…そうなんですか」
…笑っている?
何故?
「誰に殺されたんですか?」
「…分からないの、だけど二人を殺したのは同一人物なんですって…」
「そう…恨まれるような事をしたんでしょうかね?」
「どう…して笑っているの?」
「笑っている?何を言っているんです?先生」
「友達の死を笑う訳ないじゃないですか…ねぇ?先生」