元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
幸せを噛み締めながら、諦めなきゃな、と思う。
滝沢には良い彼氏がいる。
「そういえば、」
全てを振り払うように、言ったつもりだ。
だが、失敗したかもしれない。
「あの子は何学部?」
「あの子?」
「村田君。
同じ文学部?」
やはり上手く話せない。
情けないな。
「いえ…理学部ですよ。
理学部物理学科。」
色々失敗したみたいだ。
やはり俺が今カレの話をするのはまずかったのか、滝沢は顔を曇らせた。
「そっか。
理系か。」
でも俺が始めた話だから、引っ込めにくく、頃合いを見計らう事にした。
「…かっこいいよな。
俺数学嫌いだから理系なんて選択肢なかった。」