執事と共に雪遊びを。
「一体、どうやって……」


春樹は、必死に思い返そうとした。

花が置かれる前の、ブロックの光景を。


――トン……トン……トン……


雨樋の配管から、またあの音が響いた。

そして、目の前には目を焼くような朝日が差し込んでいる。

それらが、春樹の思考に光を与えた。

春樹は、目の前に現れたもの、そして目の前から消え去ったものを理解した。


「そうか、そういうことだったのか……」
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