枯レタ愛ハ声ト共ニ*非公開ノV系恋愛
『ギャは怖いからね。麺とギャがちょっとでも繋がりを持ってると知ると掲示板とかで一気に広がるからね・・・・』
みうは少し顔をしかめた。
あたしもその某掲示板の事なら知っている。
みうが大分前にあたしに見せてきたことがあった。
放送禁止用語がずらりとならび、
誰と誰、何をした、どうなっている
など、根拠もないような事が書かれていて、
正直あまりいい気分になれるものではなかった。
人ごみの裏側に抜けていくみうを見失わないように追いかけながら、
周りを気にした。
この中にもあの掲示板に書き込んでる人っているのかな・・・・
『弥生、早く!!』
歩くペースの落ちていたあたしに、急いでいる様子のみうが声をかけた。
「あ、ごめん;」
みうが開いた扉に、素早く駆け込む。
BGMが鳴り響いていた会場とはうってかわって、
防音扉で音をさえぎった楽屋は少し静かだった。
廊下を歩く途中、何人もの人とすれ違った。
赤、金、青・・・・
気の遠くなるような髪色をしていた。
おそらく、麺だろう。
この人達が、この後あのステージで演奏を・・・
想像すると、なぜか体が震えた。
楽しみになってきた。
すれ違う人にあいさつをするみうを真似しながら、
人の声がするほうへ向かった。
たばこの匂い、
香水の匂い、
ヘアスプレーの匂い、
麺の声。