Bautiful World ー真心を君にー




「そぉぉぉじろぉぉっ!!!」



試衛館、と書かれた看板が立ててある大きいとはいえない道場に遠慮なく入り、大声を上げる。




「あ!出雲!!」



名前を呼ばれた人は嬉しそうに、顔を上げた。
この人の顔・・・どこかで見たことがある・・・。





「見てみて!道端に咲いてたたんぽぽ、拾ってきたっ!!」


「綺麗ですねぇ。」



褒めてもらったからなのか、私の顔はみるみるうちに笑みが広がっていく。




「あ!そうじろー!!試合しよ!今度こそ一本とるもん!」


「無理ですよー!」


「そういってるのも今のうちだもんね!」



そういって私は急いで袴に着替え、腰を越したあたりまである長い黒髪を、赤い布でしばりあげた。








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