左目のマスカット味
「ぜーろ! はいお仕置き決定。」
「………へ、」
雨美はキョトンとする。
「お、し、おき…?」
なにそれ聞いてない、と言いたそうな雨美は、少し体を震えさせていた。
「なにしよっかなー。あ、なんかさせるのもいいな。」
きっと、"嫌な予感"しかしないのだろう。
「ちょ、ちょっと待…んっ」
俺は 雨美の五月蝿い口を手で塞いだ。
それとほぼ同時に、
「いーこと思い付ーいたっ♪」
そう言って、顔をギリギリまで近づけた。
怯えた顔をする雨美は相変わらず可愛いな、なんて思いながら言う。
「陽くんに、"嫌い"って言えよ。」