恋愛初心者
第一章 転校
今までの学校と別れる日。
辛くなったから逃げてしまっただけ。
自分に甘い自分を変える日。
生まれ変わる日。

「他の学校でも頑張ってね!」
そんなようなことが書かれた寄せ書き。
そんな文の下には覚えの無い子の名前。
そんな私、高崎なつみ。中学1年生。
私は学校で浮いていた。
友達も出来なかった。
というより友達なんて要らなかった。
だけどそんな私の想いを変えた本があった。
私のような子が生まれ変わるっていう本。
単純にそれに憧れただけ。
だから自分を変えようと想った。
だけどもうこの学校では変えられない。
二度と過去は変えられない。
その過去を隠すかのように、私は転校という道を選んだ。
「今日から変わる。変える。頑張る。」
自分に言い聞かせてやっとこれた学校。
別に頭のいい学校でも頭の悪い学校でもない。
普通に過ごせばいい・・・。
私ならできる・・・きっと。


「じゃあ教室の皆に挨拶してね」
まだ名前も知らない先生が
私にそう指示する。
「はい」
そう言って声を高くあげ、笑顔を作った。
前夜のうちに笑顔の練習はした。
完璧。
ドアの前で深呼吸。
これから私は変わる。
このドアの前には何があるんだろう。
ドキドキしながらドアを開けた。
目の前には沢山のクラスメイトの人達。
私は黒板の前に立ち、礼をする。
「高崎なつみです。これからよろしくお願いします」
これ以上に無いような笑顔を作った。
・・・多分作れてると思う。
礼をして少し乱れた髪を直してから
先生に指示された席に座った。
これからどんな生活が送れるのだろう。
わくわくしながら席に座った。
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