もう1度~私と先生と桜の木~




「…あのね、もうすぐ誕生日なの」


「え?琴音の誕生日って12月じゃなかったっけ…」


場所は教室からひと気のない階段へと変わっていた。

どうやら類にも聞かれたくない話らしい。



「あたしの誕生日は12月だよ?

そうじゃなくて、よーたくんの誕生日!」


「…あ、そうなんだ」


付き合いももう3年目だというのに

私ってばそんな基本情報も知らなかったなんて。

これでよく、よーたくんを好きだなんて言えたものだ。

なんて自分で自分を罵倒してみる。



「でね、これを機に言おうと思うの」


「何を?」


どうして琴音はさっきから本題をズバッと言ってくれないのだろう。

なんてふと、思った。

だけど次の言葉でそんな余計な思考は機能停止になる。



「よーたくんに好きだって言おうと思う」









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