風のエアリア
 飛びつく彼を両親は受け止めた。ああ、いつまでもこうしていられたら。だけど幽霊だから彼らは朝には帰らなきゃいけない、そうだ。甘えちゃいけない。彼はそれでも動けずにいた。
「一階にいる伯父さん達に見られたら……」
『大丈夫だ』
『いつものように、眠っているわ』
「こういうのが幸せなんて、考えたこともなかったけど……でも、これっていうのもアリなのかも……」

       

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