裏生徒会部
そういえばジャージのままだから返さなきゃ。
「ねぇ、ジャージかえ」
全部を言い終わる前に、私の言葉を遮ってあの鳴き声が聞こえた。
「わんわんっ!!!」
犬…?
犬!?
「ん。野犬だな」
「あぁぁぁっ……!!」
「なんだよ」
「いいぃ犬…!!」
「犬だな」
犬は私の方を見ると此方へと段々近づいて来た。
来ないで!!
恐怖心のあまり、私はルールなんて無視して、柊也に抱きつく。
「柊也!!犬!!犬ー!!」
「だからなんだよ!?つか、なんで抱きついてんの!?離れろ!!」
「やだやだやだ!!犬怖いもん!!襲われる!!!」
「俺は今のお前の方がこえぇよ!というよりな……」
気づいた時には犬はもうそこまで来ていて、足をのばせば届く距離。
もうダメ………
柊也が何か言っていたけど、何も聞き取れないまま、私の意識は途切れた。