裏生徒会部
ちょうど校門へとさしかかった時、後ろから声をかけられた。
「…はぁ……おはよう。柊也」
「あ?…お前か」
振り向くと、挨拶してきたのはやっぱり静音だった。
俺を寝不足にした張本人だ。
「昨日、変な夢見たんだよね」
「変な夢?」
「柊也が私を家に送ってくれたりする夢。ありえないよねー」
「は?」
もしかして…もしかしなくても、こいつは昨日のことは夢だったって思ってるのか?
帰る途中に「犬だ」と叫びながら抱きついてきたあげく、気絶した静音を俺が家まで運んでやった。
それなのに夢だと思ってるのか。
つくづく呑気な女だな。
つか、咲也が言っていたことは取り消した方がいい。
「…ありえねぇな」
「え、うん。凄い夢オチ」
もう説明するのが嫌だった俺は、とりあえず静音に話を合わせた。
ありえねぇのはお前だっての。