《完》Honey＊TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST･TRAP〜

にわかに大きくなった
美香子さんの声に、
あたしはハッと息をのむ。



美香子さんも『ごめん
なさい、取り乱して』と
ポソリと呟いて言葉を続けた。



｢こんな弱いあたしよりも
柊弥を幸せにできる人が、
きっといつか現れる。

言い訳に聞こえるかも
しれないけど、日本で
一人になってからの自分を
思うと、本当にそう思えたの。

だから今は傷つけても、
最終的にはそれが柊弥の
ためになるって――…｣



異国の地での愛を貫き通す
ことができなかった。

それは、自分の弱さ。



だけど別れを選んだのは
嫌いになったからじゃない。



好きだったからこそ。



愛してたからこそ、選んだ
別れ――…。