《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
あたしはどこか呆然として
美香子さんの言葉を聞いてた。



驚きと、柊弥がもう美香子
さんに想いは無いって
わかった安堵。

そんな感情が入り乱れる。



美香子さんの声は、そんな
あたしに染み込むように
入り込んできた。



「柊弥は、今ならその
気持ちがわかるって言って
くれた。

そして――言ってたわ。

自分がこんなふうに思える
ようになったのは、それを
気づかせてくれる人がいた
からだって。

かけがえのない、大切な
人に出会えたからだって」



「え―――……?」



トクンと胸が鳴り、火が
ともったように熱くなる。



美香子さんはまっすぐに
あたしを見て言った。



「……あなたのこと
でしょう? 梓さん」
< 161 / 227 >

この作品をシェア

pagetop